堅守で初出場をつかんだ日章学園が、守りで泣いた。遊撃手の一塁悪送球から始まった初回は3失策がからみ、7点を失った。

二塁の守備位置から福山主将が「落ち着こう」と声をからしても、悪い流れは止まらなかった。1試合平均失策数0・5のチームが、まさかの6失策。「普段から緊張感を持って練習しないと、大舞台で普段のプレーはできない。そういうことが勉強できるのも甲子園」と主将は歯を食いしばった。

昨夏の進路相談で、福山は「将来は日章学園の監督になりたいです」と畑尾大輔監督(48)に伝えた。「オレを追い出すのか!?」とぎょっとした顔を作ったあと、監督は親身に相談に乗ってくれた。生徒に寄り添う姿こそ、目標だった。

この日の試合後も、畑尾監督は「もっとうまくなろうと思ってくれれば」とミスを責めず、成長への糧にすることを願った。「監督に悔しい顔をさせてばかり。夏こそ甲子園で笑顔を見たいです」と福山。守れるチームで帰って来る。【堀まどか】