【第2試合(13:30)東邦(愛知)-明石商(兵庫)】

平成元年の89年以来、センバツ歴代単独最多となる5度目の優勝へ、東邦のチーム状態はピークに達してきた。

大黒柱・石川昂弥主将(3年)が頼もしい。エースとして3試合計22回で2失点。初戦こそ完投で163球を要したが、2回戦は101球で6回無失点、準々決勝は89球で7回無失点。制球重視のスタイルは準決勝でも安定した力を発揮しそうだ。高校通算43発の打棒も、準々決勝こそ無安打だったが、ミスショットが多かっただけ。打撃自体に大きな狂いはない。

準々決勝では、8番成沢巧馬捕手(3年)が大会初安打で2打点を記録するなど下位打線にも当たりが出てきた。機動力も使える攻撃力に厚みが増した。

「このチームは(全国)優勝を目指してやってきた」と公言する森田泰弘監督(59)は、決勝戦予定日翌日の4月4日に還暦を迎える。指揮官に最高のプレゼントを渡したいナインは、モチベーションも高い。

◆東邦の主なOB 元巨人山倉和博、中日藤嶋健人、俳優奥田瑛二

 

明石商は準々決勝で智弁和歌山を倒して初のベスト4を決めるなど波に乗っている。

快進撃の立役者は来田(きた)涼斗外野手(2年)だ。準々決勝は先頭打者アーチでまず同点。2回は一時勝ち越しの左犠飛。そして同点の9回、右翼越えにサヨナラソロで劇的な幕切れを演出した。1試合で先頭弾&サヨナラ弾は史上初。1番打者とは思えない攻撃的な打撃スタイルがチームを乗せている。

中森俊介投手(2年)の疲れが不安要素だ。準々決勝は明らかに本調子ではなかった。中1日あるとはいえ、緊迫した展開での161球完投の影響がどうか。2枚看板の宮口大輝投手(3年)が指を負傷しているのも痛い。他の投手がカバーできるか。

3年前のセンバツではエース吉高壮が2回戦で東邦(愛知)を完封して、初の8強に進んだ。新たな歴史を刻んだ今大会もエースの状態がカギを握りそうだ。

◆明石商の主なOB 西武松本航投手