桐蔭学園・森敬斗内野手(3年)は、夏も選手宣誓に縁がなかった。

今春センバツでは32校の主将のうち、森を含む4人だけが「立候補」した。だが、もともと全出場校から抽選で選ぶシステムで、結果的に32分の1の抽選となり「当たれば小学校の時以来です」という森の念願はかなわなかった。

夏の神奈川大会も昨夏から立候補制に。今年は116人が立候補し、壇上にずらり。森も名乗りを上げ、最前列中央に立って抜群の存在感を見せたが、またも当選ならずに苦笑い。すぐ隣の選手が「当選」と挙手したが、勘違いだったことが判明するハプニングも重なった。

県大会での選手宣誓はなくなり、あらためて野球だけに集中する。昨秋に勝利した向上に、今春は敗退。「練習量が足りなかった。てんぐになっている部分があった」と振り返り、主将としてチーム全体を鼓舞してきた。「見ている皆さんの心を動かすような、がむしゃらなプレーをしたい。それが高校野球の醍醐味(だいごみ)だと思うので」と夏の再躍動を誓う。

これまで1勝1敗の第2シード向上と、互いに勝ち進めば4回戦で「3度目」になる。向上・吉田風海主将(3年)も「そこがキーになると思います。桐蔭もだと思いますが、自分たちも意識しています」と燃えている。森は「1つ1つ勝って、勢いのままシード校にぶつかりたい」と大会を見据えていた。