室蘭地区は今春全道準Vの苫小牧工が室蘭東翔に6-3で逆転勝ちし、“水曜日のダウンタウン”で5年ぶりの南大会へ好発進した。先発のエース松本凜大(3年)が7回6安打3失点(自責点2)と力投すると、9番浜田裕貴遊撃手(3年)が同点の6回に勝ち越しの2点適時二塁打を放った。同校の甲子園出場は平成元年のセンバツが最後。今夏は松っちゃん浜ちゃんを中心に「元年は甲子園出場」説の立証に挑む。

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苫小牧工が松本&浜田の「ダウンタウン」コンビで逆転した。1-2の6回1死一、三塁。8番松本の一ゴロが相手の野選を誘い同点。二、三塁で続く9番浜田は内角の直球をとらえ、三塁線を破る決勝の2点適時二塁打を放った。投げては7回3失点と力投した松本は「球が浮いていた場面があった」。“ごっつええ感じ”の内容とはいかなかったが、初戦突破に一安心した。

「水曜日のダウンタウン」は強い。この日と同じ水曜だった今春の地区2回戦、苫小牧南戦でも松本が7回5安打1失点(自責点0)浜田が1安打2打点と活躍。これで水曜は今季は2戦2勝の負けなしだ。TBS系の同番組を毎週見ている浜田は「水曜になんかあるんですかね」と笑った。

お笑い界の大御所コンビのように2人も仲良し。遠征では常に同部屋で、厳しい合宿も励まし合い乗り越えてきた。「1人で黙々と努力する松本に負けたくない」と浜田。準優勝の春季全道では守備が課題となった。朝練習では打ちたい気持ちをグッとこらえ、約30分間ひたすらノックを受け続けて大会に備えた。

今夏は「元年は甲子園出場」説の立証に挑む。同校が聖地を踏んだのは平成元年(89年)のセンバツが最後。今春の全道は23年ぶりに決勝進出、OBからは「甲子園に行ってくれよな」と期待されている。「まずは地区を突破したい」と松本。苫小牧の松っちゃん浜ちゃんは、本家2人の出身地である兵庫・尼崎市の隣町にある甲子園を目指す。【西塚祐司】