リベンジはかなわなかった。津久井浜(神奈川)の高畑空投手(3年)は10四死球と乱れて6失点を喫した。8回を4安打、12個の三振を奪ったが「今日の空は、自分の『空』じゃなかったですね」と唇をかんだ。

昨夏2回戦の金沢戦で背番号10で先発。6回途中6失点でKOされたことが成長のきっかけとなった。以来、下半身を鍛え直して体重は10キロ増の72キロ。直球の最速も8キロアップして138キロに。名実ともにエースとして迎えた雪辱の舞台だったが「ストライクが入らず焦りました。本来なら周りに声をかけられたのに…」。いつもは周りを気づかう余裕も消えていた。

名前の空は「大空のような広い心を持って欲しい」との思いから命名されたもの。2回以降持ち直し、心の余裕も出てきたが遅かった。それでも悔いはない。「今年も一生忘れられない声援を頂いた。これからの人生で大きな糧になると思います」。すがすがしい表情で空を見上げた。