最速146キロ右腕、春日の坂元創投手(3年)が、最後の夏初戦でパーフェクト投球を披露した。3-0で迎えた6回裏無死一塁で2番手として登板。遊ゴロ、三振、三振に仕留めると、7回、8回も完璧投球。8回の味方打線の4得点を呼び込み、8回コールド勝ちにつなげた。打者9人に対して41球を投げて無安打無失点。6三振を奪った。ネット裏で見守ったヤクルトのスカウトのスピードガンでは最速145キロもマーク。夏初戦で上々のスタートを切り「最初は緊張で制球が定まらなかったが、徐々に自分の投球ができた」と胸を張った。

2年生の東耕太郎投手が先発。2番手と決まっていた坂元は「7割くらいの力だった」といいながら、打者を寄せ付けない投球だった。今年の1月に右股関節を痛めて、ブルペンに入ったのは5月。6月の練習試合にようやく完投できるまで復活していた。八塚昌章監督(51)も「ケガの功名か、体重も増えて球速もアップした。初戦としては上々です」と成長も認めた。

ネット裏で観戦したヤクルト松田スカウトは「常時140キロは超えている。しっかりスピードがでるし力が球に伝わっている。体幹を鍛えればもっとよくなる」と将来性を高く評価した。現在は大学進学予定だが、もちろん将来はプロ入りを描いている。

2年生エースだった昨夏は4回戦で久留米商に敗れた。「昨年までは150キロだしたいと思ってばかりだったが、今年は球速はもちろん欲しいけど、勝てる投手になりたい」。もちろん目指すは甲子園。「勉強と両立したいから」と選んだ公立の春日のユニホームを着て聖地のマウンドを狙う。【浦田由紀夫】

◆坂元創(さかもと・そう)2001年(平13)7月20日、鹿児島県生まれ。2歳で福岡県春日市に移住し、白水(しろうず)小1時に上白水ジュニアライオンズでソフトボールを始める。春日西中では硬式の福岡スワローズでプレーし全ポジションを経験。春日で投手に専念。1年秋からベンチ入りし2年春からエース。変化球はカーブ、スライダー、スピリット。好きなプロ野球選手は米エンゼルスの大谷翔平。家族は両親と兄。187センチ、86キロ。右投げ右打ち。