都立の雄が接戦を制した。先陣を切ったのが、1番の山崎主真内野手(3年)だ。初球を「ストライク1つ取られてもいい」と積極的に振り、遊撃強襲の内野安打。

三塁に進むと、相手捕手がわずかに後ろにそらしたスキを見逃さなかった。投手と交錯しながら生還し、先制点をもぎ取った。

海外で刺激を受けた。昨冬、東京都代表でのキューバ遠征に都立からただ1人選ばれた。日大三・井上広輝投手(3年)には体の使い方を基本から教わった。東海大菅生・成瀬脩人内野手(3年)からは、インパクトが強く、かつ滑らかに打つ方法を学んだ。アッパースイング気味だったスイングを180度変え、今でも動画を送ってチェックしてもらうこともある。プロのスカウトも注目する選手からのアドバイスを生かし、この日の2安打につなげた。

環境の違いに驚き、考え方も変わった。キューバとの試合中、日本側のスタンドに現地の子どもがやってきてボールをねだり、球場外の駐車場で野球をしていた。キューバの選手はどんなに崩された体勢でも、バットに当ててきた。「執念が違う。野球をやれる環境は当たり前でない」と身に染みて感じた。

3回戦は、優勝候補の国士舘と対戦する。「1、2回戦を勝って勢いがついている。しっかり打って勝ちたい」と次戦を見据えた。