山形南が10-2の7回コールドで天童を下し、3年連続の初戦突破を決めた。3番小屋新大(あらた)捕手(3年)が1回の先制V打を含む3安打3打点、単打が出ればサイクル安打の大活躍。6点リードの7回裏2死一塁では、右翼越えの大会1号2ランを放ち、コールド勝ちを決めた。

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古豪・山形南が39年ぶり6度目の甲子園出場に向けて快勝発進した。1年秋からレギュラーの小屋が攻守で大活躍だ。圧巻は6点リードの7回裏、3番手で救援した左腕の初球を捉え、右翼席に運ぶ「サヨナラ」2ラン。令和初年度の大会1号は自身にとって、公式戦1号。6回からナイター照明が点灯する中、冷静沈着な女房役は「(照明で)球が良く見えるようになった。(打ったのは)真ん中低めのストレート。意外と伸びた」とクールに振り返った。

小屋で始まり小屋で終わった。1回は1死一塁で、左中間への先制三塁打。6回は先頭では左翼線への二塁打。終わってみればサイクル安打に単打1本足りなく、相手遊撃手の野選になった2回の打席が惜しまれた。それでも「(野選は)ラッキーでした」と謙虚。女房役としても2投手をリードし、「打たれても打ってやるから」と、2年生のエース右腕・鈴木陸玖の夏デビューを、5回3安打2失点でゲームメークした。OBでもある石井貴之監督(45)も「今日は小屋ですね。いい仕事をしてくれた」と評価した。

夏参戦74年目で170勝を積み上げる(71敗)。夏は17年に8強、昨夏は4強と上り調子だ。石井監督は「ここに合わせてきた。今年になって一番いいゲームができた。立ち止まってもいいことはない。空回りしても1戦1戦、積極的に戦いたい」と古豪復活を誓った。【佐々木雄高】