「背番号20」の主務がチームを救った。早大本庄の赤間柚孝投手(3年)だ。主な仕事は福永泰規監督(51)の指示をチームに伝えたり、選手からの意見を監督に提案したりする。プレー以外の面でチームをまとめる重要なポジションだ。

伝令として2度、活躍した。初回いきなり無死満塁の大ピンチでマウンドへ。「まだ初回だし1点なら勝てる。落ち着いていこう」と伝え、1失点で乗り切った。次の出番は2点リードの8回だった。1死二、三塁で再びマウンドへ。「3-1で勝っている。三塁ランナーはいい」と伝えると無失点で切り抜けた。

1失点完投したエース大木涼聖投手(3年)は「赤間の伝令は大きかった。どっちも落ち着くことができた。主務はチームに欠かせないですね」と信頼を示した。

この日は午後からの第3試合。第1試合が長引いたこともあり、赤間は昼でチームにだらっとした雰囲気を感じ取った。監督に「締まるようなミーティングにしてください」と提案すると「お前もすごい提案するようになったな」と驚かれた。

大木の後のワンポイントとして投手の準備も欠かさないが「今日は自分が勝利に導きましたね」とおどけた。チームを1歩引いたところから観察し、まとめる立場。難しい初戦を接戦で制したチームで赤間の存在感が際立った。【佐藤成】