2年ぶりの甲子園出場を狙う北海が、逆転勝利で初戦を突破した。

1点を追う8回1死満塁で、主将の辻本倫太郎遊撃手(3年)が左中間に走者一掃の逆転適時三塁打を放った。「リードされてもワンチャンスをものにしようと声を掛けていた。南大会の初戦はいつも厳しい戦いになる。苦しい試合を乗り越えられたのは次につながる」と前を向いた。

南大会開幕前、平成元年の甲子園メンバー平川敦監督(48)から、令和元年の聖地を目指す辻本に、愛の助言があった。地区予選で大振りになっていたため、同監督からスイング矯正用の120センチの長バットを振るよう、すすめられた。握りや軌道を変え、チーム練習前に約50回振り込んだ。辻本は「長いバットで無駄のないスイングを思い出せた。コンパクトに振れたことが、決勝打につながった」と効果を口にした。

整列時には札幌南リトルシニアのチームメートで、泣き崩れる札幌龍谷学園エース山田泰と抱き合った。「絶対勝つから。任せてくれ」。昨秋、今春と2季連続で地区敗退を味わった。負けを知り強くなった伝統校の主将が、全国最多39回目の夏の甲子園へと、けん引する。【永野高輔】