<高校野球埼玉大会:志木5ー4川口青陵>◇18日◇3回戦◇県営大宮

「本業」はいったん休止だ。志木(埼玉)で三塁コーチを務める桑原智大(ちひろ)外野手(3年)は、審判を軸に部活動に励んできた。

小学1年で野球を始めたが、3年時に「野球ができるのは審判のおかげなんだなって気づいたんです」とプレーよりも審判に興味を抱いた。中学まで選手を続けたが、高校では少年野球の審判員をボランティアでやろうと思っていた。

高校入学時に浅川健太監督(29)に熱心に誘われ「審判をやりながら続けることにしました」。平日は一緒に練習に入り、土日の練習試合ではチームに審判服一式をそろえてもらって塁審や球審を務めた。イラスト付きの野球規約の本を常備している。

今大会は「瞬時の判断が求められるので審判と似ています」と脇役に徹する。この日も8回無死で三塁走者の大森凪人外野手(2年)が右方向に上がった飛球に飛び出したが「戻れ、タッチアップ、勝負勝負」と声をかけ、貴重な4点目をアシスト。終わってみれば1点差での4回戦進出に貢献した。卒業後は大学に進学し、4年間かけてプロ審判員の試験突破を目指す。【佐藤成】