岡山東商の左腕・村上陸投手(2年)が「八木イズム」全開で強豪相手に完投勝利した。

身長は170センチと小柄ながら、6月の練習試合・社(兵庫)戦で最速138キロをマーク。この日はスライダー、チェンジアップ、フォークと多彩な変化球に直球を効果的に交え、同校OBの元阪神八木裕氏(54)もバックネット裏から見守る中、12奪三振で2失点勝利を収めた。

同校は八木氏を2年前から外部コーチとして招集。今年3月からは月2、3回程度の指導が可能となり、2日前にもナインとともに岡山理大付を分析したという。

村上は「代打の神様」から「真っすぐを張られている時こそ、(右打者の)アウトコースに逃げるボールを投げたら絶対に振ってくれる」とアドバイスを受けており、金言通りの投球を披露し、三振を奪い続けた。

村上の理想像は自身と同じく小柄でスライダーとチェンジアップを操る楽天松井で、常日頃からYouTubeなどで投球、配球をチェックしている。

「(岡山理大付打線に)真っすぐが通じないのは分かっていた。変化球、変化球の中でどれだけ真っすぐを使えるかを考えていた」

8回に2失点したが、9回は3者三振締め。巧みな配球で強力打線を封じ込めた。