弱小チームが成長し、頂点に立った。北照は延長14回1死二塁、9番伊藤主将の打球が二失を誘い、二塁走者の楠が勝ち越しの生還を果たした。伊藤は「まずは初の連覇で歴史を変えた。次は甲子園で1勝して、また歴史を変えたい」と意気込んだ。

昨夏、新チーム初の練習試合は北北海道代表の旭川大高に5-13で敗れた。秋の全道大会も同じ相手に8-15。性格的におとなしいチームと見た上林監督は「野球以外のところで社会経験やコミュニケーションを学べるように」と、冬場に運送業のアルバイトをさせた。3班に分かれ2班が練習、1班がアルバイト。国方は「お金を稼ぐ大変さを知り野球をやらせてくれる親への感謝の気持ちが大きくなった」と振り返った。

野球の力はなかなか上がらなかった。春の関東遠征では東海大相模(神奈川)に2試合で40失点した。春は地区予選で小樽双葉に初の敗戦。その後は、通常は昼のみだった全体練習を、早朝と午後練習も全員参加に切り替え、3部練習で鍛えてきた。伊藤は「それだけやってきたということが、僕らの自信となった」。夏の地区予選直前、旭川大高との練習試合は3-5と競り合えるまでに成長していた。南北2代表同時の連続甲子園出場は初。互いに刺激し合いながら、北海道勢の力を示す。【永野高輔】