常磐大高(茨城)の守備の要、鶴見凌也捕手(3年)がチームを12年振りの決勝へと導いた。

先発投手としてマウンドに上がり、9安打3四死球7奪三振の完投勝利を決めた。

本職は捕手で、高校進学時には約30校から声をかけられた逸材でもある。プロでも「2秒を切ると早い」と言われる2塁送球タイムは1秒8の強肩だ。6月の明豊(大分)との強化遠征試合では、数球団のスカウトも視察に訪れたが「意識しすぎてしまった。全然ダメだった」と気合が空回り。打撃も肩も満足いく結果を出すことはできなかった。

明豊戦以降は、目標とするソフトバンク甲斐の動画を何度も見返し、下半身と上半身の連動を意識している。「チームメートと甲子園に出場して、もう1度アピールするチャンスが欲しい」。自身とチームの夢を乗せ、“鶴見キャノン”が甲子園を目指す。【倉田祥太】