第3シード日大藤沢(神奈川)が、第1シード鎌倉学園を破り、4年ぶりの準決勝進出を決めた。エース左腕の武冨陸投手(3年)が、自己最速を2キロ更新する144キロの直球を軸に、5安打10奪三振1失点で完投。昨夏初戦で敗戦投手となった悔しさを糧に、たくましく成長を遂げた。

勝利の瞬間、マウンドでうずくまるようにして喜びをかみしめた。「2年前はベスト8で東海大相模に負けたので、絶対にその上にいきたいと思っていた。最高です」。1年夏からベンチ入りも、昨夏はまさかの初戦敗退。冬のトレーニング期間は、山本秀明監督から「またお前で負けるの?」と厳しい言葉をかけられながら、それをバネに精神的に成長。同監督の実兄で、元中日の山本昌特別臨時コーチからは技術面の指導を受けた。「ベスト4はうれしいけど、まだ終わりじゃないので」。心身ともに成長した左腕が、さらに上を目指す。【鈴木正章】