スポーツマンは国際交流-。30日に韓国・機張(キジャン)で開幕するU18W杯に向け、日本代表は会場で前日練習を行った。

練習に先立って行われた監督会見では、韓国人記者が永田裕治監督(55)に両国間の情勢不安による影響を聞く一幕があった。永田監督はきっぱりと「全くありません」と返答した。

質疑応答の最初にスポーツ・ソウル紙の記者が「たとえば朝食時などに韓国人から脅かされたり、不安を感じたことはありましたか」と質問した。会見後、同記者が日本の報道陣と笑顔で話していると、韓国人関係者に腕をつかまれて会場外に出された。スポーツの世界に政治の話題を持ち込むことに、ナーバスになっている面もあるようだ。

ホテルは全12カ国が同宿だ。日本の選手は韓国選手を含めて交流を楽しんでいる。時間が重なる朝食会場は、格好のコミュニケーションの場に。片言の英語やボディーランゲージで意思疎通しているという。

日本のエース佐々木朗希投手(3年)はやはり知名度が高いようだ。エレベーター内で韓国選手に「ササキ?」と声を掛けられ、うなずいたという。「ありがたいなと思います」と笑顔で様子を説明した。

渡航時に日の丸のついていない白ポロシャツで統一したことには、日本高野連に多くの批判電話が寄せられている。日本高野連の竹中雅彦事務局長は「白のシャツは様子見。何も起きなかったので、これからは通常通りです」と説明した。練習会場の往復はパトカーが先導。韓国関係者やメディアも訪れた日本の練習中は警察官が巡回したが、トラブルなし。世界一を決めるグラウンドに、余計な感情は無用だ。