明桜が秋田商を2-0で下し、優勝へ王手をかけた。エース右腕・佐々木湧生(2年)が87球の省エネ投球で3安打完封。11年ぶりに秋の東北大会出場を決めた。

抜群の制球力で、凡打の山を築いた。9回のうち6回を8球以下で切り抜ける好投を見せ「打線が点を取れなかったが無失点なら負けない。直球と変化球の腕の振りを同じにすることを心掛けた」。1-0の6回、一打逆転のピンチが訪れた。先頭が出塁すると次打者のところでエンドランを仕掛けられた。投ゴロも二塁送球が間に合わず野選に。「エンドランだとわからず二塁に送球してしまった。負けにつながるプレー」。犠打を決められ1死二、三塁とされたが、後続を遊飛と三振でしのいだ。

秋田商とは地区予選でも対戦し、佐々木湧が4安打完封で7回コールド勝利に貢献した。今回は被安打3ながら「打たれたヒットが自分の甘さ」と厳しい自己評価。最速141キロの2年生エースとして夏を経験した。「上半身で投げていて球が軽かった」と重い球の習得へ、輿石重弘監督(56)と下半身を使って投げるフォームを徹底的に磨いてきた。進化を遂げた背番号1は「球数を少なく投げられた。いつでもいける準備をしたい」と決勝戦を見据えた。【山田愛斗】