桐光学園が横浜を完封で下し、ベスト4進出を決めた。

本格派左腕の安達壮汰投手(2年)が投打に活躍した。投げては横浜に2度の連打を許しながら、要所は締めて6安打完封。6回には先制適時打を放ち、それが決勝点となった。大きなミスもなく、野呂雅之監督(58)は「数年に一度のベストゲーム」とたたえた。

安達は「初回のピンチを抑えたのが大きい」と振り返った。1死後、連打と死球で1死満塁。「序盤に失点することが結構あって、逆に慎重になりすぎました」。迎えた5番打者に投じた外角直球は、切れていた。注文通り、遊-二-一の併殺打を打たせた。

野呂監督は「(相手の)打ち損じに見えるけれど、あれが安達の持ち味です」と言う。常時130キロ台中盤から後半の速球は、初速と終速の球速差が少なく、相手打者を差し込みやすい。高低に左右、どのコースにも強い球を投げられるのが持ち味で、早くもプロ野球のスカウト陣から来秋ドラフト候補としてリストアップされている。

投げ合った横浜・木下幹也投手(2年)も同じ立場の右腕だ。「意識します。今日は相手も悔しい思いをしたので、きっと次は自分を意識してやってくる。負けないくらいに努力して、もう1回倒したい、横浜と(東海大)相模を倒さないと甲子園には行けないと分かっています」と強豪撃破直後も気の緩みはなかった。

横浜隼人、鎌倉学園、慶応に続いて横浜も破った桐光学園は、秋季関東大会(10月19日開幕、群馬県)出場をかけて、10月5日に三浦学苑との準決勝に挑む。