智弁学園(奈良1位)が神戸国際大付(兵庫3位)を下し、2回戦に進んだ。

今夏の甲子園でも4番に座った強打者、前川右京内野手(1年)が2打席連発の活躍で勝利に導いた。2点を追う3回2死二、三塁から「見逃していたら始まらないのできた球をどんどん打とうと思った」と初球を捉えて右翼席上段に逆転の3ラン。5回にも、再び初球を捉えバックスクリーン右に追撃ソロを放った。ともに推定120メートル越えの特大弾で、一振りで観客をどよめかせた。前川は4打数2安打4打点と1人で全得点をたたき出した。

前川のパワーは折り紙付きで、小坂将商監督(42)も「金属バットを割りました」と衝撃的なエピソードを披露。高校に入学した春先、バッティング練習中に金属バットの芯の部分に亀裂を入れたという。「4月からゴールデンウイークにかけての1カ月半のうちに5本。ひんぱんに割る人はそういなかったです」と苦笑した。「(巨人の)岡本の1年生の時と比べたら飛距離は同じくらい。4番の仕事をしたいと言っていた。よく練習する子なので成果がでたと思う」と頼もしそうにうなずいた。

26日の2回戦は、春の近畿大会に続いて智弁和歌山(和歌山1位)との「智弁対決」となる。勝てばセンバツ出場に前進する一戦に向け、1年生の大砲は「今日は今日。次勝たないと意味がないのでチャンスでしっかり決めたい」と力強かった。

◆前川右京(まえがわ・うきょう) 2003年(平15)5月18日生まれ。三重県津市出身。白塚バッファローズでソフトボールを始め、津ボーイズでセンター。智弁学園では1年春からベンチ入り。175センチ、78キロ。左投げ左打ち