新型コロナウイルスを警戒しながら、本拠地「多賀城」から甲子園「春の陣」に出陣する。第92回全国選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)に出場する仙台育英(宮城)が18日、野球部グラウンドがある多賀城市役所と宮城県庁を表敬訪問。須江航監督(36)と昨秋の明治神宮野球大会ベンチ入り18人は同市役所では祝福の横断幕を贈られ、県庁では初代仙台藩主・伊達政宗をモチーフにした観光PRマスコット「むすび丸」のピンバッジなどをプレゼントされ、東北勢初の「天下取り」に向けて気勢をあげた。

ただ、グラウンド外の不安要素も持ち上がった。センバツ出場決定後、この日までに一連のあいさつ行事を順調に消化したが、新型コロナウイルスの感染拡大を懸念。学校側はリスク管理のためこの日までに、多賀城校舎で21日に予定した壮行会の中止を決めた。野球部関係者だけで選抜旗授与式だけを行う。一般生徒も通勤通学ラッシュを避けるため、この日から登校時間が午前9時40分と通常より1時間繰り下がった。須江監督は「本番までの準備をしっかりとして、さまざまなものに適応していく」とあいさつ。選手たちの健康管理を第一に掲げた。

チームは1月下旬、昨秋の台風19号後のボランティアや長年の地域清掃活動などが評価され、多賀城市青少年善行者表彰団体の部を受賞した。地域の感謝を忘れない。甲子園入りまでの予定も流動的だが、田中主将は「宮城代表として期待の大きさを感じました。やることは変わらないので、やるべきことをしっかりとやって大会を楽しみたい」と不動心の決意を示した。【佐々木雄高】