今春に創部した花巻東(岩手)の女子硬式野球部が8日、花巻市内の同校で初練習を行った。

2年生2人、1年生11人の計13人が整列し、グラウンドに一礼。キャッチボールからスタートした。初代主将に就任した河野瑠生捕手(2年)は、1年間は軟式野球部に所属して田口雛乃内野手(2年)と2人だけで練習してきただけに「久しぶりに遠くに飛ばせたバッティングが楽しかった」と喜びに満ちあふれていた。

花巻市の協力を得て、市内の笹間野球場がメイン練習場となる。だが、初日は男子硬式野球部の球場で発進。兄幹さんが同校野球部で13年夏の甲子園4強投手だった河野は「お兄ちゃんが練習した場所を使わせていただき感謝です」。18年創部のクラーク仙台に続く東北2校目となり「1期生として東北で野球をやりたい女子のために土台を作りたい」と使命も担った。

川内未来投手(1年)は兄遥大さん(国士舘大2年)が18年春夏連続甲子園メンバー。日頃市中では男子に負けじと「3番一塁」で公式戦に出場し、主将も務めた。フリー打撃やノックでは投手も務め「兄も応援してくれている。兄の成績を超えたい。経験はないですけれど、投手として日本一になりたい」と初代エースに名乗りを上げた。三鬼賢常監督(58)も「想像していた以上にやれるかなと感じた。勝つ喜びを味わうためにも、まず1勝」と手応え。練習、体づくりに加え、実戦経験も積みながら強化を図る。【鎌田直秀】

◆花巻東女子硬式野球部の1期生メンバー13人の練習初日ひと言

▽河野瑠生(2年=軟式の絆ヴィーナスでプレー)「日本一を三鬼監督と目指したいし、日本一をとるにふさわしいチームになるために、礼儀や野球の技術をどんどん向上させたい」

▽田口雛乃(2年=中学ではソフトボール部)「初日は90点。みんな緊張もあったけれど、楽しく出来たので。先輩、後輩の区切りはしつつ、団結した仲の良いチームを作りたい」

▽及川愛咲誌(1年=中学では陸上部で長距離得意。小学は野球)「初めて硬式野球をやって、少し緊張した。ボールが重いので筋肉を付けたい」

▽上地琉夏(1年=軟式の宮城ドリームガールズでプレー)「すごく楽しかった。練習用のユニホームにも重みがありました」

▽川内未来(1年=大船渡市出身。中学では軟式野球部主将)「佐々木朗希さんのように全国でも活躍出来る投手になりたい。練習が出来て、素直にうれしい」

▽熊谷那奈(1年=中学では宮城ドリームガールズでプレー)「男子の硬式野球部と同じグラウンドで練習出来て楽しかった。監督も見ていたし、カメラも多くて緊張してエラーしちゃいました」

▽佐々木聡美(1年=中学ではサッカー部。軟式野球は1年間だけ経験)「バッティングでもミスばかりだったので改善したい。花巻東は男子が甲子園に出ているので、女子野球で日本一になりたいと思いました」

▽佐藤こころ(1年=小学生時は野球も中学では吹奏楽部)「バッティングもノックもぜんぜん出来ていなかったけれど、楽しかった」

▽千葉蒼依(1年=宮城ドリームガールズでプレー)「男子の偉大なグラウンドやることも出来てうれしい。人もいっぱいいて緊張しました」

▽新沼瑞姫(1年=佐々木朗希の大船渡一中後輩。軟式野球部と絆ヴィーナスでプレー)「仲間とコミュニケーションをとりながら練習が出来たので良かった」

▽萩原日和(1年=中学はソフトボール部)「硬式野球は初めてだったけれど楽しかったです」

▽堀夢桜(1年=絆ヴィーナスでプレー)「久しぶりに硬式球に触ったので感覚が違った。もっとバッティングで遠くに飛ばせるようにしたい」

▽山崎姫奈(1年=軟式の岩手ライジングスターズでプレー)「初めての環境で緊張した中でのプレーでした。チームの力になれるように自主練習も全体練習も頑張りたい」