高校球児の聖地が夏も扉を閉ざした。日本高野連は20日、第102回全国高校野球選手権大会(8月10日開幕、甲子園)と第65回全国高校軟式野球選手権大会(同26日開幕、明石トーカロなど)の中止を決定した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今春のセンバツに続く中止決断に至った。地方大会に替わる公式戦開催は、各高野連の判断に任された。甲子園出場という最大の目標が奪われ、東北各県を代表する有力校の監督、選手たちは無念の思いをにじませた。

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昨夏の甲子園で8強入りした八戸学院光星(青森)中沢英明主将(3年=写真は東北題字)は大会中止を受け「練習してきた成果を発揮する機会がなくなり非常に残念。青森大会は開催できるか分からないし、部員たちの心境もまだ分からないが、チームを1つにまとめたい」と前を向いた。

11年夏から3季連続で甲子園準Vも昨秋は県1回戦で東奥義塾にコールド負け。3年生は集大成の夏を意気込んでいた。同ウイルス感染拡大で3月初旬から休校期間に入り、寮生を帰省させる案も出たが、県外出身者が多く、感染予防のために全部員を寮にとどめる決断をした。外出禁止や感染対策等の措置を徹底し、学業を優先しつつ、寮に隣接する球場や室内練習場で練習を続けてきた。

仲井宗基監督(50)は練習後に選手たちを集め、「正式に発表されるといろいろな思いがこみ上げてくる。下を向いていたって、もう甲子園では試合できない。新しい目標を見つけていくしかない」と残念そうに話した。【相沢孔志】