青森県高野連は30日、独自代替大会「令和2年度夏季青森県高校野球大会」(7月14日開幕)の組み合わせ抽選会を青森市内で行った。

来年度限りでの学校統合を前に、現校名では最後の夏となる黒石商は、夏2連覇中の八戸学院光星と1回戦で対戦。昨秋王者でプロ注目の最速150キロ右腕・小牟田龍宝(3年)擁する青森山田は、三沢商との初戦が決まった。1回戦23試合の会場、開始時間は今日1日に発表される。

   ◇   ◇   ◇

黒石商が、光星に真っ向勝負を挑む。斉藤亮主将(3年)は「クロショウで臨む最後の大会なので、地元の方に感謝の気持ちを持って、楽しくプレーをしたい。光星は打撃が強いイメージ。点数はたくさん取られるかもしれないが、自分たちも打力のチームなので打ち勝ちたい」。いきなりの強豪相手も望むところだ。同校は22年度末で黒石との統合が決定している。新入生募集もなく、今夏は2、3年生だけの19人。3年生14人が引退後の秋季大会以降は「黒石・黒石商」の連合出場が濃厚だ。

番狂わせを成し遂げた経験を持つ村上博樹監督(45)も帰ってきた。15年の4回戦で春東北王者の青森山田に3-2とサヨナラ勝ちし、同校最高の35年ぶり8強進出。同監督は「当時の主将からウイニングボールをもらい、今でも自宅に飾っています」と笑顔でなつかしみながら再現を狙う。高野連の業務にも尽力するために16年秋からは副部長となっていたが、今年4月から監督復帰。手腕発揮の幕は初戦から開く。

攻撃的なチーム作りを掲げる同監督は、昨夏から4番に座る奈良海舟外野手(3年)を刺客に指名した。「勝負強く、打線の軸となる選手。監督就任時に奈良を4番で起用すると全体ミーティングで話した」。仲間からも勝海舟と呼ばれる「青森の海舟」は刀をバットに持ち替えて「他地区の強豪校も、同じ地区の東奥義塾や弘前東も全部倒したい」と鼻息を荒くした。

クロショウ最後の夏の陣。過去最高4強以上で完結させる。【相沢孔志】