栃木商がサヨナラで初戦を突破した。1点を追う最終の7回。攻撃前に円陣で横倉理久主将(3年)が「意地でも1点もぎ取ろう」とゲキを飛ばした。2死二、三塁から増山明弥内野手(3年)の左前サヨナラ打が飛び出した。

横倉は1年から代打で試合に出場し、チームを先導している。背中を後輩に見せるため、道具運びやネットの準備を率先している。コロナ禍の練習休止期間中は、動画サイトでアニメ「進撃の巨人」を見直した。好きなキャラクターは、仲間思いで情に厚いリーダー的ポジションのジャン。「責任感が強いんだけど、不器用なんですよね」と、主将の自分と重ね合わせた。

2年半ともに汗を流した仲間たちと過ごす最後の夏。「1勝じゃない。8強目指してます」。強気の姿勢で堂々進撃する。【沢田直人】