昨秋静岡県大会準決勝の再戦は、聖隷クリストファーが3-1で同大会優勝の藤枝明誠を破り、リベンジを果たした。先発のエース城西裕太(3年)の力投に、チームのリードオフマン・上島寛大(かみじま・かんた)外野手(3年)が3安打2打点で応えた。

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聖隷クリストファーの城西が、気迫の投球で昨秋の県王者を退けた。「試合前から、攻めることを意識していた」。気持ちの入った投球を披露した。2回の1打席目に頭部へ死球を受け、担架でベンチ裏へ運ばれたが「ここで降りるわけにはいかない」と続投を志願。8安打を浴びたが、要所を締めた。

力の源は、昨秋の悔しさだった。藤枝明誠との県大会準決勝に先発したが、リードした9回途中に追い上げられて降板。逆転サヨナラ負けにつながった。この日も3点リードの4回に1点を返され、なおも1死二塁のピンチ。だが「秋と一緒にならないように」と、肩の力を抜いた投球で後続を打ち取った。

そんな右腕に打線も援護した。城西が死球を受け、満塁となった直後に、1番・上島が初球をたたいて左翼線への適時二塁打。走者2人をかえし、二塁上で派手なガッツポーズを見せた。「直前まで四死球で走者がたまっていたので、甘い球が来ると思っていた。結果を出せてよかった」。この日はチーム最多の3安打を放った。

強豪との初戦を突破し、頂点に向けて幸先の良いスタート。それでも上島は「勢いに乗れると思うが、気を抜かずに一戦必勝でいきたい」と、浮かれていなかった。【河合萌彦】