<高校野球茨城大会:常総学院6-0取手二>◇19日◇2回戦◇J:COMスタジアム

全国高校野球選手権の中止で、各都道府県が独自に開催する代替大会が19日、各地で行われた。茨城では常総学院が誇る2枚右腕、一條力真投手と菊地竜雅投手(ともに3年)が登板。そろって自己最速を更新する好投で取手二を破った。球児たちの喜怒哀楽が全国の球場にあふれる、夏の風景が戻ってきた。

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一條が初戦から快投を見せた。スプリットとカットボールで緩急をつけながら、7回1/3を1安打9奪三振。4回にベストを2キロ更新する148キロを記録した。「今日、一番気持ちがよかった」と振り返る5回先頭の見逃し三振は、フルカウントから147キロの直球。この冬は回転数を意識して投げ込み、直球の回転数が2470に上がった。「指にかかる球を投げられるようになりキレと球速が上がった」と飛躍につなげた。

「両親がいたから頑張れた」。兄2人の影響で小1から石岡オリオンズに入部。「厳しくて何度もやめたいと思ったことがある」と話す。厳しい監督に、泣きながら投げ続けたこともある。弱音を吐かない末っ子を、両親は温かく見守った。練習に行きたくない気持ちを察し、母加奈子さん(48)は「お昼はおいしいお弁当を持って行くからね」と笑顔で送り出してくれた。今では「投げることが好き。伸びていく球を見ると気持ちがいい」と屈託なく笑う。「小さいころ、支えてくれた両親がいたから今の自分がいる」。感謝の思いを手紙につづり「次は150キロを出す気持ちで投げます」。もっと上を目指す。【保坂淑子】