インターネット連動の動画企画第2弾は、プロ注目左腕の高崎健康福祉大高崎(群馬)・下慎之介投手(3年)を紹介します。群馬の独自大会は、26日に初戦の安中総合学園戦を迎えます。大会への決意表明や、ブルペンでの投球シーンを動画で視聴できます。

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一回り大きくなった姿を見せる時が来た。下は「ウエストと太ももがパツパツで。ジャンプしないとはけないんです」と人懐っこく笑う。1年の時から使っている練習用ズボンは小さくなり、普通にははけなくなった。体重は、昨秋の79キロから8キロアップ。ムチッとした太ももが、この冬の鍛錬を示している。

食べる量は特に変えなかったが、毎日、体重計に乗って管理した。上半身、下半身ともまんべんなくトレーニング量を増やし、筋肉がついた実感がある。成果は「すごく、こだわっている」という球速に表れた。最速が2キロアップの143キロに。スライダーとのコンビネーションに磨きをかける。

もっとも、自身が考えるアピールポイントは、直球でも、スライダーでもない。「強いバッターに強気に攻めていけること。気持ちを持ち味にしています」。1年生の頃は弱気から四球を出し交代も多かった。エースとしての経験が、強気のスタイルを作り上げた。「関東大会からです。(青柳)監督さんに『気持ちを出していくように』と言われ、怖くなくなりました」。昨秋は群馬3位から関東大会優勝。さらに決勝の登板はなかったが、神宮大会準優勝。全国の高校野球ファンに名を知らしめた。

出場するはずのセンバツは中止になったが、甲子園交流試合がある。その前に、まずは群馬の独自大会だ。「昨秋は県3位で終わってしまっている。甲子園(交流試合)に出る立場として、1位にならないと他の高校に申し訳ない。絶対、群馬で1位を取りたい」。26日の初戦を前に、気持ちは高まっている。【古川真弥】