<高校野球秋田大会:ノースアジア大明桜9-2由利>◇20日◇準決勝◇こまちスタジアム

各都道府県高野連の独自の代替大会で、ノースアジア大明桜(秋田)の140キロ超カルテットの1人、長尾光投手(3年)が、プロ6球団8人のスカウトが熱視線を送る中で毎回14奪三振の快投劇を演じた。初回に先制弾を浴びたが立ち直り、2回以降は2安打無四球。8回4安打2失点で完投し、チームを決勝へと導いた。

無欲の三振ショーだ。2回には振り逃げを含む1イニング4三振を奪うなど「K」の山を築いた。「三振は狙ってなかった。狙うと取れないので、結果的に良かった」。カットボールを軸に直球2割、変化球8割。前回登板では変化量が少なく、バットに当てられる場面が多かったが「自分的にはキレが出ていた」と納得の106球だった。

憧れのダルビッシュ(カブス)のように、直球と多彩な変化球で勝負できる投手を目指す。直球を含め7球種を操り、引き出しをさらに増やすために、DeNAで監督経験もある尾花高夫総監督兼投手コーチ(62)から、ツーシームを習得中だ。「変化球は試合で投げれば自信がつくので、最近の試合は多めにしている」。最速145キロを誇り、この日は同143キロ。自在に球種を操るカメレオン長尾が、変化球マスターへの道を1歩1歩進む。【山田愛斗】