智弁学園が12安打11得点の猛打で橿原を圧倒し、8回コールドで初戦を突破した。

三田で始まり、三田が締めた。1点を追う1回裏、1番三田智也内野手(3年)が高め直球を捉えて左中間へ同点ソロを放ち、すぐさま試合を振り出しに戻した。「行ったと思った」と会心の出来栄えは、高校初の先頭打者弾。小坂将商監督(42)も「三田が1人で点を取ってくれて、あれで打線がほぐれた」と称賛。その後、2番の白石陸外野手(3年)も右前安打で続くと、押し出し四球も重なりこの回4得点。6点リードの8回1死二、三塁では三田が「外野まで持って行こうと思った」と狙い通りに右翼へ犠飛を運び、8回コールド勝ちが成立。三田のバットで流れを呼び込み、夏1勝をけん引した。

三田は群馬県の出身で、学年唯一の関東出身者。16年春、智弁学園がセンバツで優勝した姿に憧れを抱き、強豪校の門をたたいた。

「(チームは)2年生中心と言われているけど、3年生でやってるという気持ちを見せようと思った」。強打の前川右京内野手、西村王雅、小畠一心の両投手ら多数の2年生が、レギュラーに名を連ねていることも、自身を突き動かす原動力。「先を見ずに勝っていって、最後は天理さんと勝負したい」。3年生のみで戦う最後の夏、自分たちが主役になる。