プロ注目の土井翔太捕手(3年)擁する郡山は、競り合いの末、逆転負けで一条に屈した。

終盤まで両者が点を奪い合った。1点を追う8回裏無死一、三塁。ここぞの場面で土井が「僕が打つしかないと思った」と、スライダーを捉え、意地の左越え3ラン。8-6と一時は試合をひっくり返したが、9回表、一条打線に4点を奪われ再逆転を許した。

昨春は近畿大会にも出場した実力校。土井は目を赤らめながら「ここで終わるチームではなかった」と声を振り絞った。県内有数の進学校に通うが「上のレベルで野球を続けて、この悔しさをバネにしたい」と、プロへの挑戦も含めて今後も野球を続ける。

この日は3球団が視察する前で、4打数3安打4打点。2回には、無死一塁から犠打の当たりを素早く二塁へ送球し、送りバントを阻止。コンスタントに1・9秒台を記録した肩でもチームを支えた。視察した中日・中田アマスカウトアドバイザーは「バッティングの感覚、間の取り方が良い。送球も安定している」、オリックス乾スカウトは「捕手として非常にいいものを持っている」と素質を評価した。

◆土井翔太(どい・しょうた)2002年(平14)4月19日生まれ、奈良県田原本町出身。5歳で野球を始め、中学では郡山シニアに所属。郡山では1年夏からベンチ入り。高校通算32本。二塁送球は最速1秒85。遠投102メートル、50メートル6秒8。175センチ、78キロ。右投げ右打ち。