福島高校野球の夏を彩る新風物詩、8年連続の顔合わせとなった強豪対決は、今年も聖光学院に軍配が上がった。

夏に限れば2013年から毎年対戦しており、今年は昨夏決勝カードがいきなり初戦で実現。聖光学院はエース舘池亮佑(3年)が直球を軸に10三振を奪い、3安打4四死球で三塁を踏ませない快投。日大東北もエース伊藤裕太(3年)から3人の継投で0-0の投手戦が展開されたが8回表、聖光学院が2死一、三塁と攻め、遊ゴロが相手の野手選択と失策を誘い、この回無安打で虎の子の1点を奪った。

聖光学院の斎藤智也監督(57)は「縁がいつもある相手。去年のファイナルが今年の最初の組み合わせになるとは、いつまで縁が続くのかな、とは思いますけど」と、まずは因縁対決を制してホッと一息。「いつもは(ジャンケンで勝って)ウチが裏(の攻撃)を取るけど、相手に(裏を)持っていかれたので、展開も含めて嫌な流れでした」と、8安打3四球を得ながら1点に終わった攻撃を反省した。

それでも、現チームでは公式戦は初勝利。昨秋は夏の甲子園出場で地区予選は免除となり、県大会初戦で負けていた。斎藤監督は「何とか1勝はさせてあげたいと思っていた。一番勉強になる、強くなる可能性のある試合をさせてもらった。終わってから、そう振り返ることができる」と好敵手の存在に感謝した。

一方、日大東北はメンバー20人全員を3年生だけで臨んだ。宗像忠典監督(58)は「正直、この3年生の投手陣だけで何点取られるか不安でしたが、今日投げた3人はそれぞれの持ち味を出してくれた。やってきたことをすべて出してくれた。試合には敗れましたが、この1カ月間を努力したことに関しては、これからの人生にとって大きな財産になる」と3年生の頑張りをたたえた。

夏の対戦成績は聖光学院が12勝、日大東北が2勝(決勝は聖光学院の6勝1敗)となった。【中島正好】