今秋ドラフト候補の明石商・中森俊介投手(3年)が、夏初戦で貫禄投球を披露した。雨で試合開始が約30分遅れるなど、足元が悪い中でも、右打者が多く並ぶ相手打線から3回無安打7奪三振1四球。「(マウンド状態は)普通だった。雨が苦手なので、いつもより下半身に力を入れました」と好投にも、顔色は変えず、冷静に振り返った。

練習試合を重ねる中で課題としていた「初回と先頭打者」に意識を置いた。初回、先頭打者を146キロ直球で空振り三振に切るなど二者連続三振。最後の打者は右飛に詰まらせ、安定感ある立ち上がりからを見せた。直球は、常時140キロ台中盤を記録し、初回と3回にこの日最速の148キロを記録。出塁を許したのは、3回2死からの四球のみだった。

同候補の来田涼斗外野手(3年)は2打数2安打1打点2四球で全打席出塁。1番打者としてフル機能し「初回の先頭で塁に出れてよかった。明商のペースに持ち込めたと思う」とはにかんだ。

この日は巨人、阪神、オリックスの3球団が視察。阪神和田球団本部付テクニカルアドバイザーは、中森について「下が悪い中でフォームが崩れないし、下半身がしっかりしてる。右打者のアウトコースはなかなか打てないね」と称賛。来田に関しても「いつでもファーストストライクから打てる」と評価した。