甲子園歴代最多68勝を挙げた智弁和歌山の高嶋仁名誉監督(74)の孫、高嶋奨哉内野手(2年)があこがれの甲子園デビューを果たした。

4回に代打で登場して中飛。「いい感じでは打てました。バットを内から出す意識でした。結果を出したかった。打てなくて悔しい」と振り返った。先週は和歌山・紀の川市内の祖父の自宅で打撃の助言を受けたという。素振りを見てもらい「バットを内から出す練習です」と明かした。祖父の教えを実践したが、快音は響かなかった。

3歳の頃から甲子園の客席で同校を応援。名将として鳴らした祖父に甲子園を「いろんなプレーが出る。楽しくて怖いところだ。そのためにもしっかり練習して、結果を出すのがいい選手」と教わってきた。聖地で初めて味わう完敗で悔しさが募る。「ヒットで出ることの難しさ、次の打者につなぐ意識の大切さを感じました。絶対に(甲子園に)戻ってきて、自分たちの代で活躍することを考えます」。父茂雄さん(44)も夏に2度甲子園に出場して安打も放った。「3代甲子園」を達成しても、満足感はなかった。