今年初、東北では最初となる有観客で4試合が行われ、4強が出そろった。柴田は6-1で仙台一に競り勝ち、7年ぶり3度目の東北大会出場に王手をかけた。4連投のエース右腕・谷木亮太投手(2年)が10安打1失点完投。1年生野手2人も攻守でラッキーボーイぶりを発揮した。ほかに大会9連覇を狙う仙台育英、東北、古川学園が4強進出を決めた。

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柴田が、夏4強で旋風を起こした仙台一に、完勝した。4戦連続先発の絶対的エース谷木が初戦の白石戦(7回コールド)、2回戦の東北学院榴岡戦に続く今大会3度目の完投勝利で2年ぶりの4強進出に貢献した。7回に1点を失ったが、6回まで無失点に抑え、残り2回も動じることなく、味方の攻撃につなげた。コロナ禍による入場制限が緩和され、準々決勝から有観客試合「緊張はしなかった。一般の人にも見ていただいてモチベーションが上がります」と、マウンドから見渡す光景にパワーをもらった様子。それが投球にも直結し「ノーエラーの守備のおかげで打たせて取ることができました。打たれたけれど打ち返してくれたので楽に投げられました」。有観客の影響で、ナインのプレーにも、自然と力が宿ったようだ。

大会前、平塚誠監督(47)の助言でスライダーを習得。「打たせて取る時はスライダー、三振を狙う時はチェンジアップ」と投球の幅を広げた。この日は、狙い球を絞って攻撃する仙台一への対策として、「研究されているので打者の裏をかけるようにキャッチャーと話し合った」と、序盤はチェンジアップ、中盤以降はスライダーでほんろう。さらに無四球と、チャンスを与えなかった。

準決勝では東北切符をかけて仙台育英と対戦する。夏の準々決勝は3-4で惜敗する悔しさを味わった。初めての対戦となる谷木は「高めに浮いた球を低めに修正してランナーを出しても落ち着いて投げたい」と県9連覇を狙う相手に、ひと泡吹かせるつもりだ。【佐々木雄高】