第93回選抜高校野球(3月19日開幕、甲子園)に初出場する柴田(宮城)に7日、レジェンドOBが激励に訪れた。13年夏の県準優勝エース政也さん(25)と、17年夏の県16強エース公太さん(仙台大3年)の岩佐兄弟が、同校グラウンドを訪問。今でも恩師と慕う平塚誠監督(48)にあいさつし、後輩たちに熱烈エールを届けた。歴代OBの期待を胸に、ナインは春の聖地に乗り込む。

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柴田野球部OBにとっても、悲願の甲子園春切符だった。兄政也さんは「母校が甲子園を決めてくれて、率直にうれしいですね」と喜びを口にした。自身はエースで13年夏に県大会準優勝。仙台育英との決勝では、サヨナラ押し出しで5-6で敗れ、夢舞台にはあと1歩届かなかった。「今でもあの場面は忘れない。自分は甲子園に行けなかったけど、後輩が行ってくれた。刺激にもなります」と目を細めた。

センバツ発表当日はネット中継で見守った。「(東北大会決勝で)大差で負けたので(甲子園に)行かないのかなと(笑い)。決まった瞬間は『うそ!』って感じでしたね」と振り返る。同世代の野球部LINEグループも盛り上がり、「トークで『(センバツ)決まったぞ!』って、みんな暴れてましたね」とお祭り騒ぎだった。

卒業後は仙台大に進学しリーグ通算23勝を挙げた。18年からはJR東日本東北で野球を続けた。指揮官とは頻繁に連絡を取り合う間柄で「僕の野球人生で一番の恩師だと思います」と言い切る。昨年11月に現役を引退。平塚監督には直接会って報告した。政也さんは「平塚先生が泣いてくれた。『お疲れさま。本当に頑張ったな』って。現役には『今の柴田をつくってくれたのは、こいつだ』と言ってもらい、グッときた」。高校卒業して7年がたち、恩師率いる母校が甲子園初出場を果たした。この日は「おめでとうございます」と、これまでの感謝の気持ちを込めて伝えた。

偉大な先輩も上がったことのない甲子園のマウンドには、エース右腕・谷木亮太(2年)が立つ。「これまでの先輩方の気持

ちを背負って、自分たちは戦わないといけない」と自覚をにじませた。期待感を胸に、春本番が待ち遠しい。【佐藤究】

▽弟公太さん「母校が甲子園に出場できて、とてもうれしい。挑戦者の気持ちを持って、全力で戦ってほしい」

センバツ出場32校/学校メモ付き一覧