仙台育英の「打柱」秋山俊外野手(2年)が、昨秋チーム打率3割7分5厘の“獅子おどし打線”をけん引する。「一番自信を持っているのは打撃」。柴田(宮城)との東北大会決勝では満塁弾を含む5打点を挙げるなど、チームトップの12打点をマークした。それでも「打率が良くなかった。トータル的に見たら、自分では納得できる数字ではない」。打率3割1分4厘にも慢心はない。

今冬のテーマは「強く振る」。白い息を吐き、ひたすらバットを振り込む。ロングティーやフリー打撃で意識し続けることだ。重さ1キロの木製バット、同700グラムの軽いバットを振り分けて、スイングスピードを磨いた。「木製でも柵越えはいける。(昨秋より)飛距離は伸びている」と手応えは十分だ。

センバツに向け、英気を養った。昨年12月28日に年内最後の練習を終え、故郷の北海道に帰省。1月3日までつかの間の休息を味わい、「良いリフレッシュができた」。コロナ禍の影響で外出は控え、母礼恵さん(47)の作る大好物のみそラーメンを堪能した。「普通のみそラーメンだけど、おいしかったですね」と笑顔を見せた。

打席では「シンプルな思考」を持って、投手と相対する。「基本的には何も考えない。ボールを素直に打ち返すだけ」と一貫する。「甲子園でプレーすることが1つの目標だった。ライトスタンドに運びたい」。「打柱」は日輪刀(バット)を手に取り、聖地で“猛打の刃”を振るう。【佐藤究】

◆秋山俊(あきやま・しゅん)2003年(平15)4月20日、北海道・登別市生まれ。小1から富岸ファイターズで野球を始め、中学は軟式の登別ビッグフラップオーシャン所属。仙台育英では1年秋に初ベンチ入り。好きな選手は阪神糸井。180センチ、80キロ。右投げ左打ち。血液型AB。