21世紀枠で今春センバツ出場の具志川商(沖縄)が3-1で九州国際大付(福岡)を下し79年の創部以来、九州大会初優勝を飾った。福岡県屈指の強豪私学を圧倒。センバツ2回戦敗退の悔しさをバネに成長した実力を大舞台で発揮した。県勢優勝は14年沖縄尚学以来だ。

5回1死二塁から8番・知名椋平内野手(3年)の左翼線二塁打で先制するなど2得点。6回には新川俊介外野手(3年)のソロ本塁打も飛び出した。投げては控え3投手で1失点リレー。試合後、喜舎場正太監督(33)の携帯電話には約200件の祝福メッセージが寄せられた。「地元はOBや周囲が尋常じゃない盛り上がり」という初快挙。全員が地元出身でほぼ中学野球部出身だが、春夏通算9度甲子園出場の相手に名前負けしなかった。

センバツ敗退後の夜のミーティングで、喜舎場監督から「夏へ向け九州のタイトルを取らないと甲子園はないよ」とハッパをかけられ目の色が変わった。その夏へ「九州の初タイトルを取ったが沖縄で取ってこそ本物」と指揮官。夏も力を見せつける。【菊川光一】

▽具志川商・知名内野手(5回の先制適時二塁打に)「低めインコースを、つなぐ意識で初球から迷わず振り抜いた。諦めない気持ちで打てた」

▽具志川商・粟国陸斗主将(九州大会初優勝に)「優勝がなかったので、九州大会優勝は自信になります。夏も頂点を取りたい」

◆具志川商 1977年創立の男女共学県立校。リゾート観光科、オフィスビジネス科、ビジネスマルチメディア科、情報システム科に生徒567人(女子373人)が学ぶ。野球部は79年創部で部員はマネジャー含め50人。甲子園は今春初出場で2回戦敗退。所在地は沖縄県うるま市みどり町6の10の1。

○…九州国際大付 元プロの楠城徹監督(70)はミスが目立ったバッテリーに苦言を呈した。特に6回にソロ本塁打を浴びた場面に言及。「高めの変化球を2球続けた。絶対投げちゃいけない。経験不足」と厳しく指摘。夏へ「バッテリーの細かいところをもう1回指導していかないといけない」と表情は険しかった。