関根学園は北越に12-11でサヨナラ勝ちした。最大8点差をつけられたが、じりじりと点を重ね、11-11で迎えた9回。無死一塁から滝沢夏央(3年)が左中間を破る三塁打を放った。

新潟は東京学館新潟に16安打を浴びせて7-4で勝った。公立高唯一の4強入り、09年秋以来の準決勝進出を決めた。準決勝進出の4校は県内開催の北信越大会(6月5日開幕)に出場する。準決勝は11日、悠久山野球場で行われる。

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もうミラクルだ。滝沢が三塁打を放った。11-11の9回無死一塁。打球が左中間を抜けると三塁ベースにスライディングし、右手でガッツポーズと体いっぱいに喜びを表現した。「アウトコースの直球をずっと狙っていた。自分がここで決めるしかないと思った」。 2回表にまさかの大量8失点。「正直チームの雰囲気も諦めていた」と滝沢は振り返る。それでも安川巧塁監督(29)は「1回に1点ずつ取っていけば9点入る」と選手らを奮い立たせた。直後の2回裏に竹之内陵(3年)の2点本塁打が反撃開始の合図になった。4回から3イニング連続で1点を返し、5-11で迎えた7回に打線が爆発。打者10人、6安打を集中させ、6点を奪い、同点に追いついた。

試合が振り出しに戻ると8回から滝沢は遊撃から3番手として登板。2イニングを被安打1、無失点に抑えて劇的勝利の流れを作った。安川監督は「小さいけど、頼もしい素晴らしい選手」と投打のヒーローをたたえた。

前日8日の4回戦では9回に4点差を逆転するサヨナラで、日本文理から公式戦では初の勝利をもぎ取っていた。2戦連続の“激勝”でチームの勢いは加速する。準決勝は昨秋準Vの新潟明訓戦。「自分たちは優勝したことがないので、優勝したい」と滝沢は力を込めた。【飯嶋聡美】