札幌地区で代表決定戦が行われ、東海大札幌が延長10回サヨナラで札幌第一を下し、17年以来の春全道切符をつかんだ。延長10回無死満塁から途中出場の守野銀二左翼手(2年)が決勝犠飛。投げては同じ2年生の門別啓人が120球完投でけん引した。札幌光星は3試合計47安打46得点と打線が爆発。すでに地区突破が決まっていた札幌平岸、センバツ出場枠の北海に加え、札幌日大、札幌静修が全道大会出場を決めた。

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緊迫の強豪対決に決着をつけたのは途中出場した東海大札幌の2年生、守野だった。2-2で迎えた延長10回無死満塁。絶好のチャンスで高めの変化球を振り抜いた。「門別も頑張っていたので、絶対決めてやろうと思っていた」。サヨナラの左犠飛となり、チームメートとともに喜びを爆発させた。

地区代表決定戦で敗れた昨秋は、背番号「7」を背負い、3番打者を務めた。地区初戦で本塁打を放つなど主力だったが、冬場に左足首を負傷し、続けて右足首もけがを負った。今春のメンバー入りも危ぶまれたが、気持ちを切らさずに前を向き、背番号「18」でベンチ入り。この日は途中出場の2打席目で貴重な打点を挙げ「全道で(1ケタ番号を)取り返します」と意気込んだ。

サヨナラ打の守野の親友も、マウンドでチームをけん引した。2年生の左腕エース門別は120球の熱投で延長10回を投げ抜いた。「初回から全力でいこうという気持ちで投げていた。勝ち切れてうれしい」。2失点と最後まで粘り、試合後は頬を緩めた。

この日出場13選手のうち2年生が7人。主力の3年生を支え、大会前に行った練習試合で4-4と引き分けていた札幌第一を振り切った。大脇英徳監督(45)は「試合ができたことが収穫。全力を尽くせた。全道大会が行われることを願っています」。9度の優勝を誇る春全道大会の出場は、17年以来となる。コロナ禍による緊急事態宣言など、厳しい社会情勢はあるが、次も全力で挑む。【山崎純一】