<高校野球南北海道大会:函館大有斗3-1函館大谷>◇4日◇函館地区Aブロック代表決定戦◇函館市千代台公園

難敵相手に大善戦を演じた。昨秋全道大会8強の函館大有斗相手に、函館大谷・日下翔天(しょうま)投手(3年)は3安打3失点で完投。ミスで失点も適時打は許さなかった。「散々やられてきた相手を抑えられた。今までで1番の投球。悔しいけど満足感がある」。リードした風林馬捕手(3年)は「うまく相手の様子を見ながら、配球を考えられた」と振り返った。

2人は1年春からバッテリーを組み、昨秋まで公式戦5連敗。中でも函館大有斗には1年春が0-19、夏は3-14、秋は5-13と打ちのめされてきた。日下は「簡単に打てると思われているのが悔しかった。最後の夏こそ勝ちたいと風林と研究した」。春に対戦している函館大柏稜の友人から情報収集し「直球を振ってくると聞いた」。データをもとに、この日は90キロ前後の変化球8割、直球2割と、遅球を軸に翻弄(ほんろう)した。

バッテリー結成3年目の今春、江差戦で公式戦初勝利。この夏は初めて1大会2勝を挙げた。難敵相手にも奮戦し「まだ野球を続けるかは迷っている。でも、有斗相手にここまでやれるようになった。このまま辞めるのはもったいないかな」と声をそろえた。時には言い合いもしながら取り組み、最後の夏に2人で最高の9イニングを満喫。新たな可能性を見いだしていた。【永野高輔】