大曲工の「花火打線」が14安打と爆発し、6点差をはね返した。秋田北鷹に11-7の再逆転勝ちで8強入り。初回に先制も3回に7失点。それでも6回に7-7に追いつくと、7回無死一塁、佐々木海允(みのぶ)外野手(3年)が決勝の2点本塁打を放った。3回途中から救援した2年生右腕、石山伶偉(れい)が最速141キロの直球を軸に6回2/3を1安打無失点12奪三振と力投。反撃へチームを勢いづけた。

コロナ禍で2年連続中止となった伝統行事「大曲の花火」に負けない、鮮やかなアーチを打ち上げた。佐々木は「そんなに覚えていません」と初球を思い切り良く振り抜いた。打球はぐんぐん伸びて左翼へ高校通算8号となる勝ち越し弾。「2年生ピッチャーが粘り強く投げていて、自分が1本出して絶対に勝つという思いでバットを振りました」。背番号1を背負う最速141キロのエースが、「花火打線」の主役になった。

6点を追う展開でも、ベンチの表情は晴れ晴れしていた。藤井十二支継(としつぐ)監督(38)からは「相手を圧倒しよう」と声をかけられ、持ち味の粘り強い野球を発揮。佐々木は「今度はピッチングでも勝ちを呼び込めるように頑張りたいです」。夜空を彩る花火のように、魅力あふれるプレーを青空の下で表現する。【山田愛斗】