3試合ぶりに先発した履正社のエース左腕、渡辺純太投手(3年)が9回を1失点で完投し、チームを5回戦に導いた。

試合は2回2死一、二塁から渡辺純の左前適時打で1点を先制し自らを援護。さらに続く3回には無死二塁から4番松林克真内野手(3年)の右前適時打で2点目を追加した。6回には失策が絡み1点を失うものの、最少リードを守り切った。

「こういう展開になると(渡辺純に)9回投げさせるしかない」と、岡田龍生監督(60)は全幅の信頼でエースに最後までマウンドを託した。渡辺純も「5回くらいからへばったが、強気に攻めていけた」と、猛暑の中の熱投を振り返った。

初回には3連打で無死満塁のピンチを招いた。「焦らずに。立ち上がりが大事」と自らに言い聞かせ、後続を一ゴロ、見逃し三振、空振り三振に斬った。「あそこでしっかりとゼロに抑えられたのは良かった」と、流れを渡さなかった要因を振り返った。

「ここまでくれば選手に任せて。自由に楽しんでほしい」と岡田監督。4試合で55得点の強力打線に加え、最速142キロのエースを擁する履正社。夏の大阪制覇へ、また1歩近づいた。

◆渡辺純太(わたなべ・じゅんた)2003年(平15)10月17日、兵庫県出身。小学2年時に「美座フレンズ」で野球を始め、同3年から「宝塚リトル」でプレー。中学時代は「神戸中央シニア」に所属。履正社では1年秋からベンチ入り。50メートル走6秒9。遠投100メートル。180センチ、85キロ。左投げ左打ち。