2年ぶりに開催された夏の甲子園の決勝は「智弁対決」になった。智弁学園(奈良)は先発小畠一心投手(3年)が9回1失点完投&決勝3ランの大活躍で京都国際を下し、同校初の夏決勝に導いた。智弁和歌山は近江(滋賀)の好右腕、山田陽翔外野手(2年)から4点を奪って攻略。02年以来、19年ぶりの決勝で3度目の全国制覇を狙う。兄弟校が夏の甲子園決勝で戦うのは103回目で初めて。「朱赤」のユニホームが激似のそっくりさん対決は午後2時プレーボールだ。

    ◇    ◇    ◇

プロ注目の智弁和歌山エース右腕、中西聖輝投手(3年)が快投で快勝に導いた。

序盤は速球が浮いたが、変化球を効果的に用いて3回の1失点にとどめた。8回は2死後、山田に146キロ速球で追い込み、フォークで見逃しに斬るなど会心の3者連続三振だ。「全員野球で勝つことだけ考えて上がりました」。24日の3回戦、高松商(香川)戦は9回あと1死で降板。中谷監督も「どこかで継投と思ったけど、中西が『最後まで行かせろ』という圧で僕を見てきたので任せました」と笑顔でたたえた。

◆智弁和歌山の2桁奪三振 中西が10三振を奪った。智弁和歌山の投手が夏の大会で2桁奪三振は、09年に3試合連続で記録した岡田俊哉(現中日)以来12年ぶり2人目。