＜全国高校野球選手権：智弁和歌山9－2智弁学園＞◇29日◇決勝

智弁和歌山ナインは「自分の役割」をしっかりこなした。開始早々の第1球から攻め続け、スキをみせなかった。2番の大仲勝海二塁手（3年）もその1人。つなぎ役に徹して4安打、堅実な中継プレーでも失点を阻止していた。

　　　　◇　　　　◇　　　　◇

1回無死二塁の打席では7球粘った。強引に引っ張ると、打球は一、二塁間を破った。いきなりの4点につなげた。大仲は「絶対に走者を進めてやろう。右方向に転がしてやるの気持ちでいきました」と話した。

自分の役割に徹したと説明した。「智弁和歌山に入って、1人1人役割があると知りました。練習の成果が出たと思います」。2回はバント安打、4回は中前打。8回にも右前打していた。「僕自身は強打じゃないけど、監督からは自分らしさを出していけ、と言われているんで」。

ポジションにつくと、手でグラウンドをならした。「跳ねないでくれよと思いを込めてやっています」。2回2死一塁。右翼からの中継に入ると、本塁にノーバウンド返球して打者走者を刺した。「一心不乱というか、気づけばプレーが終わっていました。最後の最後で、勝利に貢献できたと思います」。

打率は5割を超えた。守りも無失策。こんな選手が並んでつかんだ優勝だった。【米谷輝昭】