昨秋の北信越4強、関根学園は六日町に3-1で勝った。先発に1年生が6人入る布陣で臨み、1年生の清水空捕手が決勝打を決めた。1-1の2回無死三塁に左前適時打を放った。

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詰まった打球は三遊間を抜けた。1-1の2回無死三塁。清水が勝ち越しの左前適時打を打った。1年生の8番打者が決めた貴重なV打。「2年生の増野さん(樹=二塁手)と加藤さん(心大=中堅手)に恩返しの気持ちでバットを振った」。値千金の一打には二塁送球練習に付き合ってもらった増野と、不調時に打撃練習を一緒にしてくれた加藤への感謝が込められていた。

先発に1年生6人の若い布陣。安川巧塁監督(29)は「実戦不足。1人でも多く、経験させたい」と3投手をつぎ込んだ。背番号2をつけた清水も正捕手の座は決して安泰ではない。梨本悠雅捕手(1年)と競争の毎日。「打つ、投げる。リード面はどっちもどっち。調子のいい方を入れる」と話した安川監督が大事な初戦を清水に任せたのは「打撃の調子が良かった」から。会心の当たりではなかったが、勝ち越し打で起用に応えた。

岐阜県飛騨市出身の清水は神岡中時代、富山ヤングベースボールクラブに所属。富山開催の20年北信越大会で4強入りした関根学園の全ゲームを観戦した。「(準決勝の)敦賀気比戦(4-5)が印象に残っている。ここで一緒にプレーしたいと思った」。約1年前に熱望した学校で今は正位置取りへ奮闘の真っただ中。「忠実なプレーで1試合1試合大事にしたい」。【涌井幹雄】