聖光学院はエース右腕・佐山未来(2年)が8安打1失点で完投勝ち。夏の甲子園14大会連続出場を阻まれた光南打線を抑え込み、3年ぶりの8強進出を果たした。

    ◇    ◇    ◇

夏の県大会準々決勝で1-5で敗れた光南に5-1。立場を入れ替え、見事に夏のリベンジを果たした。

「最後のアウトを取った瞬間にスコアボードを見て自分たちの点数が上回っていたことにホッとしました」。磐城戦(2回戦)の試合後に安堵(あんど)の涙を流した佐山がこの日は勝利の雄たけびを上げた。

1回、先頭打者を三振に切って取りエンジンがかかった。初回を3者凡退で終えると、そこから毎回奪三振。8回1死満塁のピンチにも動じず、三振、三ゴロ。試合の主導権を渡さなかった。最後の打者も三振に仕留め、13奪三振の快投。エースにふさわしい力強い投球でチームを勝利に導いた。

夏の敗戦はベンチで見届けた。この日は一緒に敗戦を味わった3年生も応援に駆けつけたが「自分たちがこれから新しい時代をつくっていくんだとフラットな気持ちで臨みました」。聖光学院の新しい時代へ。準々決勝は今夏の覇者・日大東北が立ちはだかる。佐山は「1試合1試合やることは変わらないです。毎試合投げていて楽しいので、次の試合も楽しんで投げたいと思います」と次戦を待ち望む。

斎藤智也監督は「苦しい試合でしたけどよく踏ん張りましたね」と選手の健闘をたたえた。「この組み合わせを勝ち上がれば選手たちはさらに力をつけていく。粘り強い野球をしていきたい」。粘り強く戦い、3年ぶりの秋王者に返り咲く。【濱本神威】