クラークは背番号3の辻田旭輝投手(2年)が公式戦初先発で11三振を奪い1失点完投。東海大札幌を5-1で下し、初の決勝に駒を進めた。

難敵を次々と撃破し初優勝に王手をかけた。初戦で17年王者の駒大苫小牧、2回戦は昨秋王者の北海、そして今度は道内屈伸の左腕、東海大札幌の門別を打ち崩した。佐々木啓司監督(65)は駒大岩見沢を指揮していた07年以来、14年ぶりの秋全道決勝。歴戦の将は「いい投手はなかなか打てない。そういう中で、みんなが執念を持って戦ってくれた」と選手の奮闘をたたえた。

リズムをつくったのは公式戦初先発の辻田だ。初回に1失点も、2回以降は散発5安打無失点。全道初戦から2戦連続2桁安打を放っていた相手打線から11三振を奪い、7安打1失点(自責0)に抑えた。全道開幕前日の練習で右手中指を突き指。変化球はスライダーだけだが「突き指の影響で中指のかかりが悪く直球が少し動いた。それで芯を外せたのかも」。ケガの功名が、勝利への一助となった。

今夏の北北海道大会では初戦の滝川西戦の5回途中から2番手で登板。リードされた展開で2回0/3を2失点と、流れを引き戻せなかった。今秋全道は、自身の負傷で準々決勝までの登板は、わずか3イニング。「夏は先輩の力になれず、秋も(エースの)山中(麒翔、2年)に頼りっぱなしだった。何とか今日は自分で投げきりたかった」と、初完投で決勝戦に導いた。

好きな言葉は、困難を越えた先には青い空が待っているという意味の「雲外蒼天」。「もやもやしていたものが今回の投球ですっきりした」。あと1勝。雲の隙間に見えてきたタイトルを、チーム一丸で、つかみにいく。【永野高輔】