常総学院(茨城)が東農大三(埼玉)と練習試合を行い、圧勝した。

4回に1点を先制すると、6回には5本の長短打に2本の犠打を絡め6点のビックイニングをつくった。9回には一、三塁から主将の太田和煌翔(きらと)内野手(2年)の中犠飛でダメ押しの10点目を挙げ、試合を決めた。

0からのスタートを切った。秋季茨城県大会では、初戦で水戸葵陵に2-3で敗戦。初回に1失点し、打線は相手の技巧派投手に苦戦。流れを作れないまま、2点を返すのがやっとだった。太田和は「まずいなぁと思いながらも、試合が進んだ結果。声かけやチーム全体の動きを把握することが、できていなかった。あの敗戦は全部自分のせいです」と大会が終わってから、自分を責め続けた。

このまま主将を続けていいのかー。悩んだ末、「夏、見返すしかない」と気持ちを切り替え、チームの先頭に立った。島田直也監督(51)の提案で10月は太田和が練習メニューを考え、練習試合もサインを出す。自分たちに今、何が足りなくて、何をやらなくてはいけないのかを知るためだ。そこで、この冬の本当の課題が決まる。

この日の練習試合では、ストライクに対し自分のスイングをすることを目標に掲げた。太田和は「12安打10得点で、今日はそれができました。次はもっと小技を絡めたい」と、自分たちの良さをプレーにどう生かすかを考えている。島田監督は「チャンスでしっかり得点できていた。こうやって少しずつ自信がついていけば」と選手たちを温かく見つめた。

チーム作りは始まったばかりだ。この地道な毎日で、心身共に成長した。必ずや夏の強さを生むはず。「もう僕らには夏しかない。夏、甲子園で優勝するために、この冬、頑張ります」。太田和の力強い言葉に、闘志がみなぎっていた。