昨秋覇者の専大北上(岩手)が、仙台育英(宮城)に4-0で勝利。エース右腕・岡本歩武投手(1年)が仙台育英打線をわずか2安打に抑え込んで完封。チームは春の東北大会決勝で延長14回の末に敗れた雪辱を果たすとともに、秋連覇へ王手をかけた。

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三度目の正直だ。今春の東北大会決勝は0-2、今夏の東東北大会準決勝は2-7と今季2敗を喫している仙台育英にようやくリベンジを果たした。春の決勝、延長14回1死満塁で2ランスクイズを決められた岡本は、「絶対勝つぞという気持ちで準備してきました」と、この試合にかける思いは人一倍だった。その強い気持ちとは裏腹に、落ち着いた投球でアウトを積み重ね、2安打完封で悔しさを晴らした。

岡本は9月末の新人大会で右足首を捻挫。半月ほど練習ができず、ほぼぶっつけ本番で大事な試合を迎えたが、乱れは少なかった。1回、先頭打者に四球。盗塁を許し無死二塁とさっそくピンチを招いたが、冷静に二塁走者をけん制アウト。2回からは3イニング連続3者凡退。4回を打者12人に抑える好投で試合の流れを引き寄せた。5回に2四球を与え、2死一、三塁のピンチを招いたが、相手8番を空振り三振に切って雄たけびを上げた。ピンチの芽をつむ投球を振り返り「春よりも変化球を多くして、打たせて取るピッチングを意識できています」と自身の成長を実感した。

岡本は「決勝はもっといい試合をできるようにして、優勝したいです」と意気込み、菅野裕二監督(47)は、「今日の試合は100点満点に近いゲーム内容。今の状態であれば相手がどこでも優勝できる力はあると思います」と選手に信頼を寄せている。今季はまだたどりついていない東北王者へ向け、準備は万全だ。【濱本神威】