第94回選抜高校野球大会(18日開幕、甲子園)に臨む監督や球児を「どっちも勝て~特別編~」として紹介。最終回は「東京都代表対決」。今大会は、日大三と早実が出場した17年以来5年ぶりに東京から2校が選出された。昨秋の東京都大会優勝の国学院久我山と、同決勝で9回2死までリードしながら、逆転サヨナラ負けを喫した二松学舎大付。プライドをかけた戦いを、甲子園でも見せる。

    ◇    ◇    ◇

“東京2校目”からのリベンジを期す。7年ぶり6度目出場の二松学舎大付は、エースの布施東海投手(2年)を中心に、昨秋都大会1試合平均1・8失点と堅守。しかし、サヨナラ負けを喫した決勝は、敗戦につながる守備の乱れがあった。

2点リードの9回1死満塁。中飛を処理した瀬谷大夢外野手(2年)は、犠飛を警戒して本塁へ送球した。しかし、三塁走者は自重。一方で二塁走者が飛び出していた。小林幸男主将(2年)は「あそこの部分での視野の狭さ。もっと全体を見られるようにならないと。これはチーム全員に言えることだと思います」。直後に食らったサヨナラ打。悔しさを胸に、この冬は「時間を守る」など生活の基本的な部分から見直している。

市原勝人監督(56)は、選手に「甲子園では勝とうと思わないとダメだ。選ばれたからには、勝つ義務がある」と伝えた。同校は市原監督がエースとして準優勝に導いた82年以外、全て初戦敗退を喫している。小林主将は「二松学舎のプライドを持たなければいけないと、気合が入りました」。自分たちを見つめ直したナインが、成長した姿を聖地でみせる。【阿部泰斉】(おわり)